Torontoトレーニング⑤


先日のトロントでのセミナーのキーワードは、「エンプティネス」でした。
セミナーは2日間とも、意外な程にとてもセンシティブな内容で、
セミナーの後日、
「今回はどうしてインターナルワーク的な内容にしたんですか?」
とヴラッドに聞いたところ、
「あれはインターナルワークじゃない。サイコロジカルワークだ。」
と言っていました。
あくまで「インターナルワーク」ではないらしい(笑)

さて、「エンプティネス」については、
日本から来てセミナーに参加した皆さんが持ち帰ってシェアしているでしょうし、
文章より実際にクラスの中で体験して理解した方がいいと思うので、
特にここでは書きません。


ところで、以前にもここで書いた「オープン(自分を開く)」という感覚。
それについて最近興味深かったのが、
プッシュアップについてのヴラッドのアドバイス。

「プッシュアップをするときは、腕と腕(右拳と左拳)の間隔は広くした方がいい。
胸が開いて『オープン』という感覚の練習になる。
もし腕と腕の間隔が狭く、腕が体に近い状態でプッシュアップの練習をしていたら、
ボクシングのパンチのようなストライクの練習をしていることになってしまう。」

「プッシュアップで下りるとき、胸を開き自分が『オープン』に、そして『大きく』なる感覚で行う。
上がるときにも、その『オープン』という感覚を維持したまま、
自分がさらに『大きく』なるような感覚で行うようにする。」

とのことでした。

そんな感覚で試しにやってみてください。

ちなみに、
「最初から床でプッシュアップをするのがキツかったら、
立った状態で壁に向かってプッシュする練習から始めればいい。」
そうです。


そういえば、
トロントに滞在中の日本人女性Hさんが、
「プッシュアップをしていて拳の指関節部分が痣になってしまっているのですが、
どうすれば痣ができないようになるでしょう?」
という質問をヴラッドにしたことがありました。

ヴラッドは、拳の接地部分がもっと床に対してフラットになるように、
というアドバイスをした後で、
「しかし、痣ができるようならパーでプッシュアップをしてもいいし、
立って壁に向かってやってもいい。」

「女性の手は美しいんだからね。美しくあるべきだよ。」

と言っていました。
紳士です。

ともかく、無理しないで自分のペースで練習しましょう。


Torontoトレーニング④


先日、トロントでヴラッドのセミナーがあり、
その数日前(数日後?)の練習後のヴラッドとのプチ飲み会で、
ヴラッドが「自分のできるシステマをする」
ということの大切さを説いてくれました。

システマではよく、
「モスクワ系ワーク」
「トロント系ワーク」
という言い方をします。

その2つは同じであり、そもそもそのように分けて表現すること自体がおかしい、
という人もいますが、
「2つは根本的には同じであるけれど、やはり別物」
というのが、僕の個人的な感想です。

なぜなら、
モスクワは「ミカエルのシステマ(システム)」を教えていて、
トロントは「ヴラッドのシステマ(システム)」を教えているからです。

ヴラッド曰く、
「ミカエルがやっているレベルのことを、そのまま同じように自分がすることはできない。
だから、自分ができる自分のシステマをしているんだ。
各自がそれぞれ自分のできることをしなければいけない」

日本では幸運なことに毎年、
モスクワとトロント両方のシニアインストラクターのセミナーが多数開かれ、
ミカエルとヴラッドも度々、訪日してくれています。

しかし、各マスター, シニアインストラクターのシステマがそれぞれ異なることから、
混乱し、自分はどうすればいいのか分からなくなってしまう人もいるのではないでしょうか?

そうならないためにも、「自分のシステマ」が大事だと思います。
インストラクターの「真似」をしようとするのではなく、
インストラクターから「吸収」し、
その上で自分ができる「自分のシステマ」をすること。

ミカエルになろうとしても、ミカエルと同じことはできず、
ヴラッドになろうとしても、ヴラッドと同じことはできず、
ザイコフスキーになろうとしても、ザイコフスキーと同じことはできない。

まずそれをきちんと意識しておかないと、
アレもできないコレもできないと無駄に落ち込み、迷う気がします。

Torontoトレーニング③


トロントに来て早10ヶ月程が経ちました。

本部で練習をすれば「精神と時の部屋」(若い世代にはわからない?w)のように、
短期間でグンと上達するんじゃないか、などという期待が少なからずありましたが、
そんな調子の良い話はないですね(笑)
相変わらずの自分です。

しかしまぁ、システマの練習スタイルは変わったかもしれません。
以前まではとにかく「『強く(=相手を倒せる、打ち負かせる)』なろう」
としていた気がします。

随分前にヴラッドにこんな質問をしたことがあります。
(トロントには自分より1.5倍、ともすると2倍近くも体重のある人がザラにいて)
「体の大きい人をテイクダウンしたり、プッシュで動かしたりすることがなかなかできない。
どうすればそれができるようになるでしょう?」

するとヴラッドが、
「今から自分が首をグラブしに行くからそれを避けろ」と言い、
自分の首めがけて腕を振り回してくる。
それを避ける自分。
「もっとリラックスしろ」と言って、
腕を振り回してくる。
それを避ける。
「もっと早く(避けろ)!もっと早く(避けろ)!」
と言いながら、 ヴラッドがスピードを上げて腕を振り回してくる。
それを避ける。
そしてヴラッドが一言、
「これができればイイ」
以上。

当時、「いや、聞いたことの答えになってなくない?」
と正直思いました(笑)

ただ、トロントHQで練習してきた中で、
今、自分が感じる唯一の変化といえば、

「『強く』(=相手を倒せる、打ち負かせる)なろう」
としていた自分から、

より「『リラックス』して『動き続けられる』ようになろう」

という自分に変わったことで、
ヴラッドが伝えようとしたことはそーゆうことかな、と最近になって思います。

そうなると、テイクダウンされることにもあまり抵抗を感じなくなってきて、

「グラウンドに倒されたからって、そこで『動き続けられる』ならいいんじゃない?」
「『生き残れてる』ならいいんじゃない?」

と思うようになりました。

「えっ、変わったのってそれだけ?」と思われるでしょうね。
そうです、それだけです!笑

ただ、自分にとっては大きな変化で、
そして、それがとても心地良いです。
最近は以前より伸び伸びと楽しく練習できているなと感じます。


「楽しく練習する」ということに関連して、ついでに。

トロントHQには世界中からたくさんの練習生がヴラッドを訪ねてきます。
大抵1〜2週間、長期だと2〜3ヶ月間滞在する彼らが、
帰国前、ヴラッドに自分へのアドバイスを求める光景をよく見ます。
もちろん具体的なアドバイスをすることもありますが、
よく聞くヴラッドのアドバイスが、

「もっとシステマを楽しみなさい。
アナタはシリアスになり過ぎている。考え込み過ぎている。
表面上は笑顔でも、心が笑っていない。
リラックスして、楽しんで練習しなさい。」
というもの。

はるばる海外からシステマのためにトロントまでやって来るくらいなので、
ビジター練習生はみんな真剣にトレーニングに取り組んでいます。

「もっと上手くなりたい!」
「せっかく来たのだから、何かを掴んで帰りたい!」

という思いがきっと強くあり、

また、それに加えてインストラクターという身分にある人は、

「何かみんなにシェアできるものを持ち帰らなければ!」

という気持ちもあるかもしれません。

真剣にトレーニングするのはもちろん良いことなのですが、
それがヴラッドの目には、時に「テンション」として映ることがあるのでしょう。

実際、自分から見ても、

「滞在中に全てのクラスに参加し、プライベートクラスを詰め込んで、
もっと上手くなりたい、上手くならなきゃと悩み込み、
帰る頃には心身ともに疲れ果てている」

というような人より、

「自分のペースで楽しんで練習しているな〜」

という人の方が、帰る頃に断然上達しているように感じます。

(全てのクラスに出て、空いている時間にプライベートクラスを入れるのが、
悪いということではないです。
それが自分のペースとして可能なら、より良いことだと思います。念のため。)

だから、もし皆さんがトロントHQに来る機会があるならば、
僕からのアドバイスは、
「とにかく楽しんでください」です。

でもこれは、普段のトレーニングでも言えることかもしれないですよね。

皆さん、システマ楽しんでますか?( ^ ^ )


プロフィール

Systemamo

Author:Systemamo
佐藤 守
(1986年生まれ)

2012年11月 システマジャパンにてトレーニング開始
2015年11月 Vladimir Vasiliev氏よりIit(Instructor in training)認定
2018年1月 Vladimir Vasiliev氏よりInstructor 認定

『システまも。』では、ロシア武術・格闘技である「システマ」を練習しています。
お問い合わせは systemamo.training@gmail.com へどうぞ。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる